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2023/10/31

グループ講習(Midland Ki Federation) 指導

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10/31(火)に、心身統一合氣道会のアメリカの連盟の一つである、Midland Ki Federationのグループ講習を実施しました。

全ての講習を私が英語で指導しました。

一部の時間帯を本部道場との合同にして、日本の会員の皆さんと交流しました。参加人数の関係で外部の会場を使用しました。

稽古後には、Midland Ki Federationのメンバーと懇親会を行いました。

明日からの講習では引き続き、小原英雄師範・小堀智則師範が指導し、本部直轄道場の稽古にもゲスト参加されます。

Midland Ki Federationのチーフインストラクターである柏屋幸一先生(心身統一合氣道 八段)は、藤平光一先生の元で内弟子修行をして、アメリカに渡って道を普及されました。

本年を以てその職責から引退され、次の世代に引き継がれます。柏屋先生は、今後も心身統一合氣道と関わりを持って活動されます。

長年のご尽力に心から感謝いたします。

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2023/10/30

特別対談(伊藤精英先生)

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心身統一合氣道会 会報』では各分野の第一線の方との特別対談を行っています。バックナンバーをWebで不定期に公開しています。

今回は、伊藤精英先生(公立はこだて未来大学 教授)です。大学では心理学(特に「振動を通じた知覚」)を中心に研究をなさっています。

伊藤先生は生まれつき弱視で、10代で全盲となりました。NHK総合の番組「あさイチ」で心身統一合氣道をお知りになり、一昨年から北海道から東京まで定期的に稽古に通われています。

対談はこちらでお読みいただけます。

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2023/10/22

指導者講習(名古屋)

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「指導者講習(名古屋)」で指導しました。28名が参加しました。

新たに3名を指導者に任命しました。


心身統一合氣道を指導するには指導資格(師範・審査員・指導員・准指導員)が必要です。段位やキャリアに関係なく、学び続ける者だけが指導資格を有することができます。

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2023/10/20

心身統一合氣道会 会報

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一般社団法人 心身統一合氣道会の会報誌である『心身統一合氣道会 会報』が間もなく発行されます。

10月から順次、全国の会員の皆様のお手元にお届けいたします。

本号では、ご好評をいただいたソフトバンクホークス前監督の工藤公康様との特別対談の続きを掲載しています。

次号は2024年1月に発行する予定です。これまで発行した会報誌に関してはこちらをご覧下さい。

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2023/10/01

相対化

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「相対化」という言葉があります。一つだけではなく、他との関係において物事を理解することを指します。

あるいは、同じ対象でも「近づいて見る」「離れて見る」など、立ち位置を変えることも相対化の一つです。

私は7歳の頃からピアノを始めて、18歳になるまでの約10年間、レッスンを受けるために、毎週、先生のご自宅に通っていました。

自分から「ピアノをやりたい」と親に頼んだことは覚えていますが、心身統一合氣道の家に生まれて、なぜ、ピアノに関心を持ったのか、今となっては全く覚えていません。

私の先生は、オーケストラと共演をされるような音楽家で、当時、藤平光一先生から「氣」を学んでいらっしゃいました。

先生のところには、どうやら良家の子女が多く通っていたようで、他の子供たちが「先生、ごきげんよう」と挨拶をしているなかで、私だけが「先生、さようなら!」と言っていたのを覚えています。

私は不良生徒でしたから、先生にずいぶんとご迷惑をかけましたが、多感な時期に教えて頂いたことが、今に活きています。


学校の帰りが遅くなり、遅刻しそうになってレッスンに慌てて行くことがあります。その心の状態では、先生はピアノに触れることを許しません。心が静まってからでないと弾かせてもらえないのです。

あるときなど、レッスンの時間内に心が静まらなかったようで、ピアノに触れることなく帰ったこともあります。

心が乱れていると言われても、最初は何のことやらでしたが、これを繰り返すうちに、「心が静まる」とはどういう状態か、次第に身体で分かるようになりました。

心の状態によって、ピアノの音色は明らかに変化します。特に、心が乱れているときは自分の音を聴くことができないため、独りよがりの演奏になってしまうのです。

この辺りは、心身統一合氣道の稽古と完全に一致しています。

心が静まっているから、氣の動きが良く分かる。氣の動きが分かるから、それを尊重して導き投げることができる。心が乱れていると、独りよがりの技になります。

ピアノや合氣道に限らず、何か始める前に「心を静める」ことが、持っている力を発揮する上で極めて重要であるわけですが、これを学んだのは、ピアノのレッスンだったのです。


一つの音の終わりは、次の音の始まりであることも学びました。

たとえ無音の状態であっても、音楽が途切れているわけではなく、音がない時間も音楽の一部です。音符がないからと、そこで氣が切れてはいけないということです。

いわゆる「間(ま)」の感覚は、ピアノのレッスンで学びました。

私には一つの音の終わりに、氣が切れてしまう癖がありました。音を通じて、「氣が切れている」ことを何度も指摘されるのですが、始めは何のことやら、意味が全く理解できませんでした。

しかし、「氣が切れている瞬間」に繰り返し指摘を受けるうちに、氣が切れるとはどういう状態なのか、身体で分かるようになりました。結果として、「氣を切らない」ことも理解できました。

音楽は勿論のこと、スピーチをするにも、合氣道の技においても周囲との繋がりに基づいて、適切な「間」というものが生まれます。氣が切れてしまうと、適切な間が分からなくなってしまうのです。

心身統一合氣道でいえば、一つの動きの終わりは次の動きの始まり、一つの技の終わりは次の技の始まり、氣が切れる瞬間はありません。動いている瞬間だけでなく、動いていない瞬間も大事なのです。


このように、ピアノという異なる分野を学んだことによって、心身統一合氣道の理解が深まりました。これは不思議なことではありません。

「氣」の学びは総ての土台であり、大事なことは根底で繋がっています。他の分野で相対化することで、より深く理解することができます。

これは「異なるものを混ぜる」という意味ではありません。

塩素系洗浄剤の注意書きに「まぜるな危険!」とあります。この表示ではありませんが、異なる考え方・やり方を混ぜることで、物事を身につける上で阻害になることがよくあります。

「氣」の観点を持てば、物事に共通する本質が分かるようになるので、様々なものに触れても混ざらず、相対化ができるのです。

ゆえに、様々な分野の方が心身統一合氣道の「氣」を学んでいます。

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