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2011/11/01

隙を見せない

武道において「隙を見せない(隙がない)」ことが重要です。心身統一合氣道の稽古で言えば、隙のない立ち姿や、隙のない剣の構えを訓練するわけです。隙がないことは、日常生活、特に人間関係においても重要なのですが、一体、どの様な行動が「隙」となるのでしょうか。

一つは、陰口をたたいたり、不満をもらしたりすることです。AさんはBさんに不満を持っていて、Bさんのいない時に、Aさんが陰口をたたいているとします。Bさんが聞いていないからと思って陰口をたたく訳ですが、これは隙だらけの行為です。

そもそも、他の人からBさんに伝わる可能性があり、人を通じて伝わることは、増幅したり歪曲したりします。Bさん本人に直接伝えるより、悪い結果が生まれます。

しかし、「隙」はこれだけではありません。

陰口や不平不満など、マイナスな氣を発している人には、マイナスを好む人が近づいて来ます。自らマイナスを招き入れる行為です。AさんがBさんに持っているネガティブな感情を利用して、自分が利益を得る人も出て来るかもしれません。

私は、多くの経営者に氣の原理を指導しています。そのため、指導の後に相談を受けることがあります。会社で生じる人間関係におけるトラブルの半分は、経営者みずからが蒔いたマイナスの種が原因です。隙を見せた結果、望まない人を近寄せてしまったのです。

陰口や不平不満を一切口にしない人には隙がありません。付け入る余地がないからです。経営者やリーダーなど、責任のある立場にあるほど、隙を見せない言動が求められるのです。

別の例は、大事な人を疎遠にしておくことです。

懇意にしていたAさんとBさんが、お互い忙しかったためしばらく疎遠になっているとしましょう。「BさんがAさんを悪く言っていますよ」とAさんの耳に入り、Aさんは「Bさんに限ってまさか」と思います。しかし、しばらく会っていないので、確信も持てません。確認を取るわけにもいかず、益々、疎遠になって行きます。

この様にして、人間関係が壊れることがあり得ます。

これは自然消滅ではないかもしれません。実はAさんの耳に入れたCさんが、大変悪い人間であり、AさんとBさんが疎遠なのに氣づき、自分が間に入って、両者の人間関係を悪化させているかもしれません。さらにCさんは、「私から聞いたことは内緒にして下さい」とAさんに言えば、真面目なAさんはBさんに確認出来ません。

この様に、大事な人にも関わらず、しばらく疎遠になって、氣が通わない状態をつくるのも人間関係の隙と言えます。電話一本、手紙一通でも定期的に交わしてさえいれば、何かあった場合でも、直に確認することが出来ます。そもそも、そのような人間関係であれば、悪い人間が、立ち入る余地はありません。

隙をついて、人間関係を悪くするような人間が悪いことは、言うまでもありません。しかし、ただ「悪い」と言うだけでは人間関係は守れません。そういう悪い人間がいることを前提として、人間関係でも、「隙を見せない」努力が重要なのです。

人間関係における「隙」は、他にも沢山例があるのですが、皆さんはどのくらい思いつくでしょうか。

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