私は一般社団法人 心身統一合氣道会の会長を務めています。この一般社団法人の活動目的の一つは心身統一合氣道を通じた社会貢献です。また、その為の人材育成をしています。様々な活動の中でも、特に重要な活動が「子供達の成長」です。
近年、日本国内の子供達に運動能力が低下していることは、新聞やテレビのニュースでご存知だと思います。これは、身体を動かすのが足りないことだけが原因ではなく、姿勢が悪いことも原因の一つです。
一般的に良い姿勢というと、背筋を伸ばし、胸を張るなどして、身体を緊張させる姿勢をイメージすることが多いのですが、実は、これは良い姿勢ではありません。
身体を緊張させると、疲れやすく、持続も出来ず、背筋を曲げた虚脱状態になってしまいます。緊張した姿勢と虚脱した姿勢を繰り返すことになります。
本来、良い姿勢とは「自然な姿勢」のことです。心身統一合氣道では、統一体(心身統一した姿勢)と言います。下記の3つを満たす姿勢のことを「自然な姿勢」としています。
- 「最も楽な姿勢」
- 「最も持続出来る姿勢」
- 「最も安定した姿勢」
例えば、虚脱した姿勢になると、一瞬、楽になった氣がします。しかし、すぐにその姿勢は苦しくなって、長くは持続しません。つまり、「自然な姿勢」とは言えません。
自然な姿勢には自然な安定があります。心身統一合氣道では「氣のテスト」という手法を用いて、姿勢の安定を確かめます。
立ち姿・椅子に座った姿勢・静坐の姿勢・横になった姿勢など、様々な姿勢で、それぞれ安定を確かめることが出来ます。また、歩いている間など、動作中の安定も確かめられます。こうして、自然な姿勢を体得します。
話を元に戻しましょう。
姿勢が悪いということは、不自然な姿勢ということであり、不自然な姿勢ということは、不安定な姿勢ということです。運動能力を向上させるには、まずは基本となる姿勢を確認し、運動することが大切です。
私が当時、指導していたお子さんは、平均台が渡れずに、学校の体育の時間を嫌がっていました。お子さんの姿勢は、踵に重みを置いた不自然な姿勢で、立っている時でさえフラフラしていました。基本となる姿勢を教えて、安定を保つ訓練をしたところ、すぐに平均台を渡れるようになりました。
現在では、運動全般が好きになったそうです。このお子さんの場合は、運動能力がないというよりも、基本的な姿勢が出来ていなかったことが原因でした。この様なお子さんは他にも沢山います。
姿勢が悪いと、お子さんの身体の成長にも影響を与えます。最近では、脳の発育にも影響があることが分かっています。小学生で肩凝り・腰痛が多いのも、姿勢が原因の一つです。
基本となる姿勢は、合氣道だけではなく、他のスポーツや、日常生活万般で重要なことです。そこで、一般社団法人 心身統一合氣道会の活動の一つとして、基本となる姿勢を小中学校に普及しています。
小中学校からのご依頼を受けて、ボランティア・ベースにて、お子さん・親御さん・先生方の集まりに指導員を派遣しています。基本となる姿勢を学び、運動能力が向上することは勿論、「集中力ができた」「やる氣が出た」「印象が良くなった」など、多くの声を頂いています。
学校関係者で興味のある方は、お氣軽にお問い合わせ下さい。
一般社団法人 心身統一合氣道会 総本部
また、拙著「心を静める」(幻冬舎)をお読み頂くと、基本の姿勢について、概要を理解して頂くことが出来ます。
私は昨年からメジャーリーグのLAドジャースで選手・コーチの指導をしていますが、若手有望選手に指導するにも、まずは姿勢から指導しています。多くの選手が、姿勢を学ぶことでその能力を開花させています。
姿勢は何をする上でも基本なのです。