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2009/10/01

氣を通す

この記事は、心身統一合氣道の根幹である氣の原理(心が身体を動かす)を、日常生活で実践し、そして検証することが目的です。

何事を身に付けるにも実践は基本ですが、「実践」だけではなく、実践後にどう変わったか「検証」が重要です。

知識として得た学びは、時に失いやすいものです。実践・検証して得た学びは、失うことはありません。まずは1ヶ月間、記事の内容を実践・検証して下さい。


藤平信一です。

一年を通して、私には一日に多くのスケジュールがあります。稽古や講習会の指導、講演会、面会、取材、交渉、内弟子の教育など、実に様々です。

特に、重要な決定を下す件は、たった一つの予定であっても、大変なエネルギーを要します。それが10件、20件と続けて入っている日は、ただ頑張っているだけでは、疲労困憊[ぱい]してしまいます。

実は、ちょっとした氣の使い方で、もっと楽に仕事が出来ます。それが「氣を通す」ことです。

自分から氣を向けて行う仕事は疲れませんが、誰かに言われて氣が向かずに行う仕事は疲れるものです。

氣に基づいて説明すれば、「氣が先行して仕事をする」のと、「氣が遅れて仕事をする」の違いです。たとえ一瞬のことでも、大きな違いを生み出します。

今日一日、これから何件も予定があるとしましょう。

一つ前の仕事で問題が生じると、そこに氣を取られてしまい、目の前の仕事に氣が向きません。少しずつ氣が遅れていくわけです。すると、集中力は切れて能率は下がり、とても疲れます。

全ての予定に氣が通れば、途中で集中力は切れません。氣が途中までしか通っていないので集中力が切れ、予定を半分くらい終えたくらいで「ぐったり」するのです。

それでは、具体的にどうしたら良いのでしょうか。

一日の始め(出来れば前の日の晩)に予定を全て書き出します。そして、必要な準備や段取りをしておきます。そうすることによって、一日の最初の予定から最後の予定まで、全てに「氣を通す」ことが出来ます。

すると、一つ一つの予定が「点」でなく「流れ」に変わります。つまり、途中で氣が切れなくなるのです。「氣を通す」とは、頑張ったり、氣を張ることではありません。心を明確に使うことであり、自然に行うことです。

一日の予定全てに「氣を通す」こともそうですが、少し先に「氣を通す」ことでも、大きな違いが生じます。

例えば、休憩を取るとき、次の準備をしてから休むのです。つまり、一つ先の予定まで氣を通しておくのです。それから休憩を取ると、次の仕事に戻るのがとても楽です。これをしないと、仕事に戻るのが辛くなり疲れます。

「休みになると風邪を引く」という方が多いですが、それは、休みになると「氣が切れる」ためです。

休みに入る前に、休み明けの仕事の準備をしたり、段取りを立てたりしておくことで、氣が切れなくなります。仕事に戻るのも楽になり、心置きなく休みを取れます。

私は、「氣を通す」ことを覚えてから、スケジュールが多くても疲れなくなりました。風邪を引かなくなりました。

私は各界の最前線で活躍する方とお会いする機会が多いのですが、「忙しい」と言う方は一人もいません。私よりもハードなスケジュールでも実に楽そうに見えます。

スケジュールがいっぱいでも楽そうに見える方は、楽そうに振る舞っているのではなく、先に氣を通すことで、本当に楽に仕事しているのです。

「忙しい」と言う方は、氣が焦って、頭の中だけが忙しいのであり、本当に忙しい方はあまりいません。「忙」という漢字が「心を亡くす」と書く所以です。

さて、今月の実践・検証です。

[実践すること]

  • 休日や休憩に入る前に、次の予定の準備や段取りをする。(次の予定まで氣を通しておく)
  • 前日の夜に翌日の予定すべてに氣を通しておく。

[検証のポイント]

  • 実行して感じた違いを、毎日、記録に取る。

※ これは「藤平信一メールマガジンの掲載記事です。

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