この記事は、心身統一合氣道の根幹である氣の原理(心が身体を動かす)を、日常生活で実践し、そして検証することが目的です。
何事を身に付けるにも実践は基本ですが、「実践」だけではなく、実践後にどう変わったか「検証」が重要です。
知識として得た学びは、時に失いやすいものです。実践・検証して得た学びは、失うことはありません。まずは1ヶ月間、記事の内容を実践・検証して下さい。
藤平信一です。
人間は誰でも、無意識にもイメージを持っています。
例えば、「仕事」がそうです。ただし、日本の文化における「仕事」を前提とします。
経営者が心身統一合氣道や氣の原理を学ばれている場合に限り、私は依頼を受けて企業研修で指導をします。たまに、新人研修もあります。新人研修で指導する際、こんな質問をすることがあります。
「仕事は楽しいものですか。それでも苦しい(大変な)ものですか」
すると、答えは半々くらいでしょうか。ある社員は「楽しいもの」と答え、ある社員は「苦しいもの」と答えます。
これは「仕事」に対するイメージなのです。
もう少し、突っ込んだ質問をすると、更に面白いことが分かります。
「親御さんが仕事しているときは、楽しそうですか」
「楽しそうです」という社員は、仕事を楽しいものとして捉えています。「大変そうです」という社員は、仕事を大変なものとして捉えています。当たり前に思われるかもしれませんが、これは重要なポイントです。
つまり、仕事を実際に体験してからイメージが出来たのではなく、親御さんの影響を受けてイメージが出来ているのです。しかも、ほとんどの場合、「無意識のうちに」です。恐いことです。親御さんでなくて、学校の先生など周囲の大人ということもあります。
仕事を「生きていく為に嫌でもやらないといけない」と捉えるか、「自分が成長する為に積極的に取り組みたい」と捉えるかでは、その後の人生は大きく変わることでしょう。「自分のため」だけに仕事をするのか、「誰かのため」に仕事をするのか、もそうですね。
どの様なイメージを持つのも自由なのですが、最も重要なことは、自分が持っているイメージが適切か知ることです。
心身統一合氣道の初心者にお尋ねする質問です。
「合氣道(の稽古)に対するイメージを教えて下さい」
ここで言うイメージとは、護身術とか関節技ということではなく、自分にも出来そうか、出来なそうか(難しそうか)ということです。すると、多くの方が「自分には出来ない(難しそう)」と答えます。
恐らくそれまでのご経験で、そういうイメージを持ったのでしょう。このままのイメージを持って稽古すると、あまり上達はしません。「出来ない」というイメージを持ちながら、「出来る」ようにはならないからです。
そこで、指導者は入門する方にとって、取り組みやすい技を選び、まずは出来るようになる体験をして頂きます。出来る様になると、今まで持っていた「出来ない」というイメージが、「ひょっとしたら自分にも出来るのでは」と変わって来ます。この過程がとても重要なのです。
ある程度、それが出来てきたら、今度は指導者が導くのではなく、生徒さん自身で、自分の持っているイメージを知った上で、自分自身で「出来る」というイメージを持つことを訓練して頂きます。
「日本人は英語が苦手」と言われていますが、これも、繰り返し繰り返し、無意識のうちにすり込まれたものです。一体、誰がそのように決めたのでしょうか。実に不思議な話です。
まとめましょう。
私達は誰でも、物事に対して自分なりのイメージを持っています。そのイメージは、自分から積極的に得たというよりも、家庭教育や学校教育などで、無意識のうちに得たものです。
それが適切なイメージならば良いのですが、不適切なイメージだと、最初から物事に対して否定的になります。
これは実にもったいないことです。
何事にも、自分が(無意識のうちに)持っているイメージを知り、それをチェックすることが重要なのです。
さて、今月の実践・検証です。
[実践すること]
- 「稽古」「仕事」「勉強」「英語」「家庭」「お金」「夫」「妻」・・・・・。 どれか一つを選び、持っているイメージを書き出す。
[検証のポイント]
- そのイメージは、いつ、どこで、どのように得たものかを知る。
- そのイメージが適切かどうか検証する。
この記事は「藤平信一メールマガジン」に掲載されたものです。