潜在意識を変える
この記事は、心身統一合氣道の根幹である氣の原理(心が身体を動かす)を、日常生活で実践し、そして検証することが目的です。
何事を身に付けるにも実践は基本ですが、「実践」だけではなく、実践後にどう変わったか「検証」が重要です。
知識として得た学びは、時に失いやすいものです。実践・検証して得た学びは、失うことはありません。まずは1ヶ月間、記事の内容を実践・検証して下さい。
藤平信一です。
潜在意識をプラスに保つことは、心身統一合氣道の稽古において、最も重要な稽古の一つです。
例えば、力の強い相手が力いっぱい自分の手首を持つとしましょう。「ひょっとしたら動けないかもしれない」と頭によぎると、それだけで動けなくなってしまいます。
プロのアスリートを指導していても、それは良く分かります。大事な場面で「ひょっとしたら失敗するかもしれない」と頭によぎる選手は、その通りに失敗します。
問題は、こういう考えを自分自身ではコントロールしにくいことです。大事な場面になればなるほど、こういう考えがよぎるものです。これをコントロールするには「潜在意識を変える」ことです。
私が内弟子になりたての頃、夜寝ると頻繁に見る夢がありました。それは、力の強い相手に持たれて動けないというものでした。プロの指導者であれば分かると思いますが、まさに悪夢です。
ある時それを藤平光一先生に相談をしました。すると、藤平光一先生は簡潔に答えました。
「ああ、それは潜在意識がマイナスなんだよ」
意識には、日頃私たちが認識している意識(顕在意識)と、認識していない意識(潜在意識)があります。潜在意識は心の倉庫のようなもので、顕在意識は潜在意識から出された材料によって組み立てられます。
潜在意識がプラスであれば、当然顕在意識もプラスであり、潜在意識がマイナスであれば、当然顕在意識もマイナスな訳です。潜在意識がマイナスなのに、顕在意識だけプラスにしようとしても無理というものです。
世の中で言われる「プラス思考」の多くは実践が難しいのですが、それは顕在意識だけをプラスにしようとするからです。
寝ている間は潜在意識が主に働いています。したがって、寝ている間に見る夢は潜在意識の関わりがあります。当時の私は、潜在意識がマイナスだったのです。
そこで、私は潜在意識を変える訓練を始めました。
一つの訓練は、必ず出来るまで稽古をすることです。
稽古において、出来ていないのに稽古を終える方がいます。これでは最終的に「出来ない」ことが潜在意識に入ってしまいます。
どんなに大変でも、出来るようになるまで稽古を止めません。地味なことですが、実はとても重要なのです。必ずプラスのイメージで稽古を終えることです。
もう一つの訓練は、日常で使う言葉を変えることです。
当時の私は何かあるたびに、すぐに「出来ない」と言っていました。出来るか出来ないか分からないのに、です。やるだけやってみても、出来ないこともあります。やりもしないうちに「出来ない」と言うのは悪い習慣です。
日常生活でこういうことをしていたら、当然のことながら、稽古においても「出来ない」という考えがよぎる訳です。そこで、すぐに「出来ない」と言うのをキッパリ止め、どうしたら出来るか考える新しい習慣を得ました。
以上の二つの訓練だけで、何と悪夢を全く見なくなりました。稽古の夢は今も見ますが、もう「出来ない」マイナスな夢ではなく、いつでも「出来る」プラスな夢です。実際の稽古でも「出来る」ことが多くなりました。
世界中には想像もできない強い方います。まだ出会っていない相手に対して、出来るかどうかは分かりません。それでも「出来る」と思えることが大切なのです。常に出来ると思えるように潜在意識を変えることです。
これは心身統一合氣道の稽古だけではなく、ビジネスマンにも、アスリートにも、アーティストにも重要です。潜在意識を変える具体的な訓練については、拙著「心を静める」で詳しく解説していますので活用なさって下さい。
さて、今月の実践・検証です。
[実践すること]
- 潜在意識をプラスに保つ訓練を一つ選び、一ヶ月継続する(「心を静める」を活用)。
[検証のポイント]
- 自分の考え方、捉え方がどのように変化したかを観察する。
この記事は「藤平信一メールマガジン」に掲載されたものです。
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