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2009/04/01

理解のレベル(前編)

藤平信一です。

この記事は、心身統一合氣道の根幹である氣の原理(心が身体を動かす)を、日常生活で実践し、検証するための記事です。読むだけでは意味がありません。

何事を身に付けるにも実践することは基本です。しかし、ただ実践するのではなく、その結果、何がどの様に変わったかを検証することが重要です。

単なる知識として得た学びは、失いやすいものです。一方で、自ら実践し、検証して得た学びは失うことはありません。まずは1ヶ月間、実践・検証して下さい。


「理解のレベル(前編)」

私達は日常で、簡単に「分かった」という言葉を使います。しかし、本当に分かっているかどうか微妙です。実は、理解にもレベルがあります。

何かの説明を受けて、「分かった」と思ったとします。一番浅いレベルの理解は、「分かったつもり」です。

説明を受けているうちは分かったような氣がしたものの、実際にやってみると出来ない状態です。この理解のレベルで満足すると、何も身につきません。実際には、このレベルで分かったと思う方が多いのです。

これよりも一つ上のレベルの理解は、「説明を受けたことを、正しく人に伝えられる」ことです。

頭で分かったと思っても、それが整理をされていなければ、人に伝えることが出来ません。正しく人に伝えるには、頭の中を整理する必要があります。

私が講習で指導する際は、ただ伝えるのではなく、伝えたことを、生徒同士で伝えあう時間を設けています。

特別に訓練を受けた方でない限り、初心者の皆さんは、私が伝えたことの3割程度しか正しく伝えられません。つまり、指導者が自分の伝えたいことを伝えるだけでは、学ぶ皆さんに一部しか伝わらないのが現実です。

「説明をすれば理解してもらえる」というのは幻想です。

学んだことをお互いに正しく伝えあう訓練を重ねるうちに、ほとんどの生徒は出来るようになります。

「分かったつもり」から一つ上のレベルに達するには、たとえ、自分では「分かった」と思っていたとしても、人に正しく伝えられるか確認することが重要なのです。

人の話を聞く時に「自分の中で発想・連想しながら聞く」というクリエイティブな手法もあるようです。それはそれで価値のあることです。

しかし、それ以上に重要なことは、相手にしっかり氣を向けて、相手の伝えることを正しく理解する訓練です。この基礎が出来ているからこそ、より高度な話の聞き方も出来るようになるのです。

昨今では、「個性を尊重する」という意見をよく耳にします。基礎が出来ていないのに、「個性を尊重する」などと言うと、「自分なりの理解」しか出来なくなります。相手の言いたいことを正しく理解する、という基礎訓練が、今の時代には最も必要なことの一つです。

理解のレベルには更に上がありますが、実践・検証の為、今回はここまでにしましょう。

次回、「理解のレベル(後編)」で続きをお伝えします。

[実践すること]

  • 聞いた話を正しく人に伝えられる様に話を聞く。

[検証のポイント]

  • 話を聞いて「分かった」と思うレベルと比較する。

この記事はメールマガジンに掲載されたものです。

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