藤平信一です。
この記事は、心身統一合氣道の根幹である氣の原理(心が身体を動かす)を、日常生活で実践し、検証するための記事です。読むだけでは意味がありません。
何事を身に付けるにも実践することは基本です。しかし、ただ実践するのではなく、その結果、何がどの様に変わったかを検証することが重要です。
単なる知識として得た学びは、失いやすいものです。一方で、自ら実践し、検証して得た学びは失うことはありません。まずは1ヶ月間、実践・検証して下さい。
「氣を入れて持つ」
藤平光一先生は、多くのプロ野球選手を指導して来ました。元読売巨人軍の王貞治氏もそのお一人です。
王貞治氏は期待されて入団しましたが、一年目は結果を残せず、「三振王」と酷評された時期があります。
様々な縁に導かれて、王氏は入団二年目に藤平光一先生と出会い、その後、現役時代を通して毎年継続して学ばれました。
そして、ご本人の努力があってこそですが、「世界のホームラン王」と呼ばれるようになりました。
藤平光一先生は王氏に、まず心身統一した姿勢(統一体)を指導した上で、「氣を入れてバットを持つ」ことを指導しました。
調子が悪い選手は、多くは自分でも氣づかないにうちに力んでいて、バットを握り込んでいます。握り込むと、身体に余分な力が入り、姿勢は崩れてしまいます。そして、自分の思うようにバットを扱えません。
それでは軽く持てば良いかというと、そうでもありません。ただ軽く持っているだけでは、バットを支えることが出来ません。150キロの球を打ち返せません。握ってもダメ、軽く持ってもダメ、それで多くの選手が悩みます。
バットに限らず、物の持ち方には正しい持ち方があります。それは「軽く持って氣を入れる」という持ち方です。
軽く持った上で、その物に「氣が通っている」と思っていると、その物の隅々まで氣が通います。感覚的に言えば「自分の身体の一部」という感覚です。
軽く持った状態でも、バットの先端まで氣が通っていると、身体を押したり、バットを押したりして安定を確かめると、微動だにしない安定した状態になります。この安定を確かめる方法を「氣のテスト」と言います。
どの選手も、バットを軽く持っているにも関わらず、姿勢もバットも安定するのを体験して大変驚きます。さらに、その状態で素振りをするとすごい音がします。
このように、バットの持ち方をチェックするだけでも、調子の悪い選手も、調子を戻すことが多いのです。
心身統一合氣道では、木剣でこの持ち方を稽古します。氣の入った木剣は、大変な威力があります。
例えば、相手が構えている木剣を簡単に払い下ろせます。握り込んだり、ただ軽く持っている木剣には、ほとんど威力がありません。木剣はとても正直です。
書道をする方は、筆の持ち方に活用出来ます。
演奏をする方は、楽器の持ち方に活用出来ます。
料理をする方は、料理用具の持ち方に活用出来ます。
これを学ぶために、プロ野球選手などのプロアスリートや、書家や音楽家が、木剣の稽古をなさっています。
正しい持ち方は、日常生活万般に活用することが出来ます。例えば、お皿を運ぶときに活用してみましょう。氣を入れて持つと、テーブルに静かに置くことが出来ます。氣が入っていないと、乱暴になりますね。
心身統一合氣道の上達、特に剣や杖(じょう)の上達には、日常生活での「氣を入れて持つ」訓練が重要です。
さて、今月の実践・検証です。
今回は、一度でも心身統一合氣道の稽古で「正しい持ち方」を学んだことのある方が対象です。
[実践すること]
- 持つもの全て、氣を入れて持つ。(氣を入れて持つ=軽く持ち、持つ物に氣が通わせる)
[検証のポイント]
- 氣を入れて持った結果、姿勢にどの様な変化があったか観察する。また、持つ物にどの様な変化があったか観察する。
この記事はメールマガジンに掲載されたものです。