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2008/08/01

量と質

藤平信一です。

この記事は、心身統一合氣道の根幹である氣の原理(心が身体を動かす)を、日常生活で実践し、検証するための記事です。読むだけでは意味がありません。

何事を身に付けるにも実践することは基本です。しかし、ただ実践するのではなく、その結果、何がどの様に変わったかを検証することが重要です。

単なる知識として得た学びは、失いやすいものです。一方で、自ら実践し、検証して得た学びは失うことはありません。まずは1ヶ月間、実践・検証して下さい。


「量と質」

全国で心身統一合氣道の指導をしていて、最近氣になる事があります。それは、指導者が稽古の質を重んじるばかり、質の稽古ばかりして、量の稽古が疎かになっている方がいることです。

もちろん、質の伴わない量の稽古には意味がありません。正しい動作を反復するからこそ正しい習慣が身につく訳で、間違った動作を反復したら、間違った習慣が身につきます。ですから、質が重要なのは間違いありませんが、量もまた重要なのです。

一つの技を徹底的に稽古して、量的にあるレベルを超えた途端、「感覚的に分かる」という状態になります。これは「頭で分かる」のとは完全に異なります。「感覚的に分かる」レベルになって初めて、実際に役に立ちます。

英語の学習で言えば、基礎的な英文を音読して、量的にあるレベルを超えると、相手が英語で話していることを「感覚的に分かる」状態になります。

ところが、量的に不足していると、常に頭で理解しようとして、相手が英語で話していることを全く理解出来ません。「頭で分かる」レベルでは、実際に役に立ちません。英語が話せない方のほとんどは、この基礎の反復が不足しているので、頭だけで理解しようとします。

私の指導先である「英会話イーオン」で教えて頂いた事ですが、音読の反復に用いる英文は中学2年生レベルで十分なのだそうです。高度な教材だから身につく訳ではないのですね。

ただし、音読する時間は、理想を言えば一日なんと3時間!少なくとも1時間、ということでした。さすがに私は一日3時間取ることが出来ませんでしたので、1時間を継続したところ、当時、12ヶ月間でTOEICスコアが530から830(300アップ)になりました。

今では、決して十分とは言えませんが、海外のセミナーで全て英語で指導をしています。現地の指導者との会議なども全て英語です。基礎の反復を勧めて下さった「英会話イーオン」に大変感謝をしております。

心身統一合氣道の技も同じことで、頭で考え事しながらでは、実際のところ全く役に立ちません。「感覚的に分かる」ところまで言って、初めて身につきます。

心身統一合氣道の技をしっかりと身につけるためには、(基礎をふまえた)量の稽古をして「感性を磨く」ことです。感性を磨くためには、量が不可欠なのです。感性が磨かれるうちに、質の違いについて理解できてきます。それから先が質の稽古です。

文章を書くのも同じことで、まず良い文章を書くのではなく、基本をふまえて、とにかく量を書くことです。いきなり良い文章を書こうとしても、書けるものではありません。いたずらに時間が過ぎでいくだけです。

それが量的にあるレベルを超えると、感性が磨かれて行って、文章の質について理解できてきます。良い文章を書くのは、それから先の話です。

他の習い事でも、企画書でも、読書でも、基本は同じです。(基本をふまえた)量、そして質の順番です。

心身統一合氣道の指導者や会員の皆様には、質の稽古より前に、量の稽古(基本の反復)をなさって下さい。

今週の実践・検証です。

[実践すること]

  • 自分が身につけたいことで、その基本を知る。(語学習得・文章執筆など)
  • 先を急がず、その基本を反復する。

[検証のポイント]

  • 量的にあるレベルを超えると理解が変化するので、その変化を見る。

この記事はメールマガジンに掲載されたものです。

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