行(ぎょう)
藤平信一です。
この記事は、心身統一合氣道の根幹である氣の原理(心が身体を動かす)を、日常生活で実践し、検証するための記事です。読むだけでは意味がありません。
何事を身に付けるにも実践することは基本です。しかし、ただ実践するのではなく、その結果、何がどの様に変わったかを検証することが重要です。
単なる知識として得た学びは、失いやすいものです。一方で、自ら実践し、検証して得た学びは失うことはありません。まずは1ヶ月間、実践・検証して下さい。
「行(ぎょう)」
心身統一合氣道の稽古には、心身統一を身につけるための「行(ぎょう)」があります。「洗心の行」「息心の行」などがそうです。
知識を得ることは極めて重要なことです。しかし、知識を得ただけで「分かった」と思うのは早計です。本来、「分かる」ということは「出来る」ということです。
心身統一の知識を得ても、出来るようにはなりません。心身統一を身につけるには「行」が必要です。行とは、読んで字の如く「行う」と書きます。
その大切な行ですが、多くの方が間違って理解しています。それは「行とは特別なもの」という考えです。
洗心の行を例にいたしましょう。洗心の行は、鏡開きに際して、寒中で水をかぶる行です。零下の氣温のなか、水をかぶるのですから、普通に考えれば、とても大変な行のはずです。
しかし、心身統一して行えば、一見すると大変なことも、思いのほか楽に出来るのです。体験した方はみな、「かぶる前は大変だと思いましたが、心を決めてかぶったら楽に出来ました」と言われます。
その心の使い方を体験するのが、洗心の行の入り口です。それが分かったら、日常生活で直面する様々な課題にも、同じ心の使い方で臨むことです。
それこそ「行」です。
寒中で水をかぶったからと言って、偉い訳ではありません。そこで得た心の使い方を日常に活かすことが重要です。したがって、水をかぶった後、「洗心の行が終わった!」と喜んでも良いのですが、「洗心の行が始まった!」と言うのが正しい訳です。
洗心の行も息心の行も、どちらも日常生活ではなかなか出来ない貴重な体験です。ぜひ体験をして頂きたいと思います。
一方、日常生活で身近に出来る「行」もあります。それは「実行を決めたことを一定期間やり遂げる」ことです。例えば、現在の自分に出来ていないことの中から一つ選び、それを毎日欠かさず実行するのです。
私の指導にお越しになった男性はこんな目標を立てました。「朝起きたら、笑顔でまず家族にお早うと挨拶する」。なんだ、そんな事か、と思われた方もいるかもしれませんが、これは決して簡単な事ではありません。
この方は一年間続けようとしていましたが、一年の間には、体調の良い日もあれば体調の悪い日もあります。時には、二日酔いで口をきくのも嫌な日だってあります。機嫌が良い日もあれば、機嫌の悪い日もあります。(自分も家族も両方そうですね)
私たちの心は、毎日同じ状態であることはあり得ません。しかし、ほとんどの方は毎日同じだと思いこんでいます。心の状態が変化していることに氣づいていません。毎日、毎回、同じことを同じように行うには、自分の心と向き合うことが不可欠です。
それが「行」になるのです。
さて、今回の実践・検証。
[実践すること]
- 現在、自分に出来ていないことで出来るようになりたいことから、(出来るだけ簡単そうな)目標を立てる。
- それをまず1ヶ月間(出来れば1年間)、継続する。(毎日、毎回、同じ心の状態で行うことが重要)
[検証のポイント]
- 1ヶ月継続して出来たかどうか。
- 出来なかった場合、「出来なかった原因は何か」を考えて「どうすれば出来るか」工夫して再チャレンジする。
- 出来た場合、「出来た要因は何か」を考えて次にチャレンジする。
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