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2007/09/25

学ぶ姿勢を調える

藤平信一です。

この記事は、心身統一合氣道の根幹である氣の原理(心が身体を動かす)を、日常生活で実践し、検証するための記事です。読むだけでは意味がありません。

何事を身に付けるにも実践することは基本です。しかし、ただ実践するのではなく、その結果、何がどの様に変わったかを検証することが重要です。

単なる知識として得た学びは、失いやすいものです。一方で、自ら実践し、検証して得た学びは失うことはありません。まずは1ヶ月間、実践・検証して下さい。


「学ぶ姿勢を調える」

心身統一道や心身統一合氣道を長く稽古なさっている方には、指導者を目指している方が多い。「学んだことを活かして世の中の役に立ちたい」という思いで、素晴らしいことである。

私の指導を受けた方で、指導者を目指すようになった方から「指導の仕方を指導して頂きたい」というご要望をよく頂く。ご要望にお応えしたいところだが、そのご要望にはお応えできないことをお伝えしている。

なぜならば、指導者にとって「指導の仕方」が重要なのではなく、指導者としての「学ぶ姿勢」を身に付けることが重要だからだ。

私の講習に参加された方に、たまに講習終了後にこんな質問をする。

  • この講習で私はどういう表情で登場しましたか
  • この講習で私はどういう順番で説明をしましたか
  • この講習で私はどの立ち位置で指導をしましたか
  • この講習で私はどんな姿勢で質問を受けましたか
  • この講習で私はどの位の大きさでホワイトボードに字を書きましたか

ほとんどの方は、全く答えることが出来ない。初心者の皆さんは、そこまで見ることは難しいかもしれない。しかし、指導者を目指す皆さんとなれば、話は別である。

私が実際に指導する現場をお見せしているのだから、それを見ていないのでは、あまりに勿体ない。生徒として学ぶ姿勢なので、指導の仕方は見ていないのである。まずは、指導者としての「学ぶ姿勢」が不可欠だ。

私にとって財産となった経験をお伝えしたい。

私は始め、内弟子として藤平光一先生から指導を頂いていた。内弟子としての最初の仕事は、藤平先生の講演のお供だった。講演は大盛況に終わり、私はお供の役目をしっかり務めた。いや、しっかり務めた氣になっていただけだった。

その後、この講演をお聞きになった方から講演依頼があった。藤平先生のスケジュールが調整できなかったので、本部講師であればどなたでも、というご依頼だった。そこで、藤平先生はこのように言われた。

藤平光一先生 「よし、お前(藤平信一)が行きなさい」

私(藤平信一) 「有り難うございます。でも、私には講演の経験がないのですが・・・・・」

すると、藤平先生はこう言われた。

藤平光一先生 「わしがやって見せただろう?」

私は大変なショックを受けた。

なぜなら、お供は先生の側にいてお世話をするものと考えていたので、藤平先生がどの様に講演されていたか全く見ていなかったからである。

藤平光一先生 「一回見せたことは、出来るようにならなければいけないよ」

と諭されたのを覚えている。

それ以来、お供をさせて頂くときは、どの様な心の状態で講演をするのか、立ち位置はどうか、視線はどうか、話す順番はどうか、声の大きさはどうか、藤平先生の指導の仕方を注意深く見るようになった。10年間に総計で1,000回以上、セミナーや講演のお供をさせて頂いたが、それが何事にも代えられない財産となっている。

私は指導の仕方、講演の仕方として、誰かに教わったことは一度もない。唯一教わったのは、指導者としての「学ぶ姿勢」だった。始めに学ぶ姿勢を教えて頂けたことに、心から感謝している。

学ぶ姿勢が調っていないということは、ザルで水を溜めるようなものだ。いくら水を注いでも、水は溜まらない。まずは学ぶ姿勢を調えて、水が溜まる状態にしてから水を注ぐことだ。そのため、指導者を目指す皆さんには、「指導の仕方」を指導するのではなく、指導者としての「学ぶ姿勢」をお伝えしている。

指導者でない方にとっても学ぶ姿勢は重要だ。習い事でも資格習得でも、何を学ぶかを決めるのは重要なことだが、最も重要なのは「学ぶ姿勢を調える」ことである。

今回の実践・検証。

[実践すること]

  • 自分の学ぶ姿勢を観察して、現状の記録を取る。
  • 学ぶ姿勢において重要だと思うことを3つあげる。
  • その3つを実践する。

[検証のポイント]

  • 学習効率がどのように変化があったか。
  • 教える側の姿勢にどのような変化があったか。

この記事は「藤平信一メールマガジン」に掲載されたものです。このブログより早く記事をお読み頂けます。

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