心身統一合氣道の五原則
藤平信一です。
相手を無理に投げようとすれば、相手の心は反発して、結果的に相手を投げることは出来ません。
相手を無理に変えようとすれば、相手の心は反発して、結果的に相手を変えることは出来ません。
前者は心身統一合氣道、後者はコミュニケーションの話です。よく似ていると思いませんか。
藤平光一先生は、心身統一合氣道の技を通して、半世紀も前から世界中で「氣の原理(心が身体を動かす)」を説いて来ました。
自分にも心があるように、相手にも心があります。相手を自分の思い通りにしようとすれば、相手の心は反発し、それを導くのは至難の業です。まず、自分の心と身体をコントロールし、相手の心を尊重し、その上で導くことが不可欠です。
心身統一合氣道の技で言えば、相手を投げるより前に、まず自分が心身統一した姿勢になることです。相手のことを受け入れて、その上で導くことです。
コミュニケーションで言えば、相手を変えるより前に、自分が心身統一した姿勢になることです。相手のことを受け入れて、その上で導くことです。
自分が言いたいことを相手に理解してもらうために、最も大切なことは何でしょうか。それは、相手に理解させることではありません。相手を理解することです。
最も良い方法は、相手の話を最後まで聞くことです。相手の話を最後まで聞くことは、相手の心を尊重して、相手の存在を受け入れることです。その後に、自分の伝えたいことを冷静に伝えると、相手には耳を傾けるゆとりが生まれます。
しかし、相手を受け入れる前に説得しようとすると、相手は説得されまいと反発をします。それでは相手を理解させることは出来ませんね。
藤平光一先生は私の師であり、実の父でもあります。師弟の関係ではなく、それより前の家庭内のことで例をお話しますね。
ある時期、私は母と毎日ケンカばかりしていました。私は母の言動が氣に入らず、母を変えたかったのです。そんな中、藤平光一先生が私のことをお呼びになって、「お前、そろそろ何とかしろよ」と言われました。
「どうしたら良いのですか」と質問をしたところ、「お袋の話を黙って最後まで聞きなさい」と言われました。それから私は、母の話を最後まで聞くように心懸けました。
その結果、どうなったと思いますか。
母はますます怒るようになり、私はそれを黙っていなければいけないので、ますますストレスがたまりました。すぐに、藤平光一先生に報告しました。「ご指示の通りにしたら、さらに状況が悪くなりました」
すると、藤平光一先生は「そりゃそうだろう」と大笑いして、このように言われました。
「いくら黙って聞いていたって、お前の顔にはお袋が間違っていると書いてあるんだから」
今にしてみれば間違いなのは良く分かりますが、、当時の私は、黙って話を聞きさえすれば心の状態はどうでも良かったのです。心から受け入れていなければ、いくら黙って聞いていても、それは相手を受け入れたことにはなりません。心は争っているのですから。
そこで、今度はプラスの心で母の話を聞くようにしました。その結果、母が怒る頻度は少なくなりました。平和が訪れました。
心身統一合氣道の稽古をなさっている方は、「心身統一合氣道の五原則」をご存じですね。心身統一合氣道の技で重要なのは言うまでもなく、コミュニケーションにおいても極めて重要です。
心身統一合氣道の五原則
一、氣が出ている
二、相手の心を知る
三、相手の氣を尊ぶ
四、相手の立場に立つ
五、率先窮行(そっせんきゅうこう)
道場では勿論、日常生活でも実践をして参りましょう。
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