氣と教育(13)「判断する力」
藤平信一です。
「判断する力」は、自立した人間であるために不可欠な力です。ビジネスでも私生活でも、私たちの人生は判断の連続ですね。そして、判断には責任を伴います。
正しい判断をすれば、正しい結果が生じます。誤った判断をすれば、誤った結果が生じます。望ましくない結果を、人や環境に責任転嫁する人がいます。それでは、自立には程遠いですね。
昨今では、お子さんを可愛がるあまりに過保護となって、自分のしたことに責任を取らせないご両親を見かけます。
自分が判断して生じた結果の責任は、全て自分にあります。判断する力を養う最初のステップは、それを教えることです。
次のステップは、判断することに正面から向き合うように教えることです。それには、判断を避ける心理を理解する必要があります。
判断することを面倒に感じる人は少なくありません。「判断には責任が伴う」ことを理解している人にとっては、責任を負うことが痛みであり、ストレスに感じるからです。
重要な判断を人任せにして、逃げてしまう人がいます。責任を負わなくて済むからです。強い意見を持っている人に依存するのも、同じ心理です。
人の意見に常に流されて生きるのが望みであるのであれば、判断から逃げていても良いのかもしれません。そうでないのならば、判断は避けては通れません。
さらに次のステップとして、「自分に判断できるか」を判断することを教えることが大切です。
「自分に判断できるか」「自分が判断しても良いか」が分かると、自分では責任を負えないことを相談する選択肢が生まれます。これが分からないと、全ての責任を自分が負うことになるので、判断することに必要以上に負担を感じます。分からないから面倒に感じるのです。
ビジネスであれば、自分に判断出来ないことは上司に相談します。私生活であれば、人生経験や専門知識が豊富な方に相談します。それが正しい判断です。
人材育成では、「自分に判断できるか」の判断を徹底させます。始めは判断ミスがありますが、学習能力がある人であれば、「自分に判断できるか」どうかの基準がはっきりしてきます。こうなれば一人前です。
その一人前で感動したことがあります。先日、訪問先で、5歳のお子さんと接する機会がありました。
彼は説明書を見ながら、車の模型を組み立てていました。どうしてもうまく出来ないことがあるらしく、私のところにきて、「自分では出来ないので手伝って欲しい」と頼みました。出来ない部分を手伝ってあげると、私の作業をじっと見た後、「ありがとう!あとは自分で出来る!」と言いました。
自分に何が出来て、何が出来ないかを判断出来ていることに大変驚きました。大人でも、自分に何が出来て、何が出来ないかが分からず、判断ミスを続ける人が多くいます。
このお子さんは、経済的には自立している訳ではないですが、判断において5歳にして自立しています。ご両親の教育を物語っているように思いました。
経営者などトップの方は、最終責任を負うべき立場にあるので、意見は求めても、最後は自分で判断しなければいけません。私もその立場にある一人です。
その「判断する力」は、次回以降にお伝えします。
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