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2006/08/21

指導者の心得

藤平信一です。

今回は心身統一合氣道の指導者の視点でお伝えしたいと思います。

先日、テレビ番組で少年サッカー合宿の様子を紹介していました。試合中に転んでしまい足首を痛めてしまった少年に、コーチが氣になる言葉をかけていました。

「サッカーには怪我がつきものだから、仕方ないよな」

勿論、コーチは少年を励ます氣持ちで声をかけているのですが、この言葉のかけ方には問題があります。

それは一体なんでしょうか。読み進める前に考えてみて下さい。

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そもそも、「怪我は当たり前」ではないことです。たとえ相手が悪かったとしても、氣が出ている状態でプレーすれば、危険を察知して、瞬時に反応することが出来ます。また、氣が出ていれば、アクシデントに強い身体にもなっています。

怪我をしてしまったら、心と身体の使い方に問題がなかったのか、どうしたら怪我をしないか考えることが大切です。もっと言えば、怪我をさせないことが指導者の責任でもあります。

さらに、潜在意識の面でも問題があります。

コーチが「怪我は仕方がない」と少年に言葉をかけることで、少年の心は無意識に怪我をすることに向いてしまいます。そのままでは、いつか本当に大きな怪我をしてしまいます。とても恐いことなんですね。

藤平光一先生は、「指導するクラスで怪我人が出たら指導者に全責任がある」と指導者の心得を厳しく指導されます。指導者の氣が出ていれば、隅々にまで氣を配ることが出来ます。「氣が出ている」から「氣づく」のです。

一例をあげれば、不自然な動きをしている人に氣づくことです。不自然な動きをする人は、身体を痛めている可能性があります。そのまま稽古を続ければ怪我をしやすい。

また、身体の問題ではなく、不自然な動きがその人の癖でも、そのままでは怪我をしやすいのです。不自然な動きに氣づいて、それをお伝えすることが大切です。

それには、指導者の氣が出ていなければいけません。

その他にも、体調が悪く稽古に集中出来ていない人はいないか、道場の中でお互いにぶつかる距離で稽古している人はいないか、氣が出ていれば危険を察知することが出来ます。

私が初めて藤平光一先生から指導の仕方を教えて頂いたときは、二時間、誦句集の唱和と柔軟体操だけで終わってしまいました。唱和の仕方、柔軟体操の号令のかけ方を何度も指導頂きました。その稽古では技の稽古はありませんでした。

藤平光一先生は、稽古の始めを大切に考えていらしたのです。指導者が氣を出して稽古を臨むこと、それが、指導において最も重要な心得の一つだったんですね。

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