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2005/07/28

「待つ」という選択肢を持つ

私たちは一つの問題に直面した時、すぐに解決を図ろうとします。必要なことですが、時にそれは最良の選択ではないことがあります。

例えば、人間関係で問題が生じたとしましょう。焦って関係修復を試みると、かえって関係を悪化させます。

仕事で失敗をして、自分への信頼や評価が下がったとしましょう。焦って取り戻そうと試みると、さらに信頼や評価を失います。

お子さんや生徒、部下の心の状態で何か問題が生じたとしましょう。焦って解決しようと試みると、かえって状況が悪くなります。

人は自分にとって不都合なことがあると、その状況から逃れるために、何らかのアクションをしないと氣が済まないものです。自分にとって望ましくない状態を、一刻も早く取り除きたいのですね。その思いが焦りを生じ、いま本当にすべきことを見誤らせるのです。私も何度となく経験しています。

問題の解決には、「待つ」という究極の選択肢があります。何かをすることでかえって状況が悪くなるときは、状況をじっと見て、そのまま「待つ」ということが重要です。

ただし、「待つ」とは「問題解決を放棄する」ことではありません。問題解決にしっかり氣を向けて、自分が出来る努力は継続しながら、状況が自然に変わるのをじっと待つということです。時が問題解決をすることも少なくありません。

「待つ」ためには強い心、すなわち心の静まった状態が必要です。少しでも弱氣になると、何かしていないと落ち着かないものです。

先ほどの例で言いますと、人間関係で問題が生じたときには、相手に謝るだけではなく、自分の悪かった行動をあらためて、あとは、相手の心の状態が変わるのを「待つ」ことが重要です。あらためることよりも、許してもらいたい氣持ちが先に立つと、人間関係はさらに悪くなってしまいます。

仕事で失敗して、周囲から信頼や評価を失ってしまったときは、周囲のご機嫌を取って、心証を回復させようとするのではなく、自分の悪い点を言葉ではなく行動で直すことが大切です。その上で、あとはじっと「待つ」だけです。たとえ時間はかかっても、それが信頼や評価を回復させる最短の道です。

お子さんや生徒、部下の心の状態に問題が生じたときは、焦って相手の状態を変えるのではなく、自分がプラスの心で相手に接し、相手が自分自身の力で間違いに氣づくことを「待つ」ことが重要です。氣づきには一定の時間が必要で、氣づきを「待つ」ことが重要です。それを自分の思い通りに相手を変えようとすると状況は悪化します。

「待つだけ待っても、相手が変わらなかったらどうするのか」と、心配に思う方がいらっしゃるかもしれません。実はこの考えこそ、「待つ」ことを難しくしてしまっている最大の原因なのです。

重要なことなので繰り返しますが、「待つ」とは「問題解決を放棄する」ことではありません。相手を先に変えようとするのではなく、まず自分に出来ることから始めて、相手の氣づきや変化を待つことが不可欠です。自分自身もそうであるように、相手の状況や心の状態が変化するには、一定の時間が必要ですね。

日常生活で心をしずめることを学ぶことで、心のコントロールを体得し、常に「待つ」という選択肢を持つことができます。ご一緒に学んで参りましょう。

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