2019/08/01

誦句集「座右の銘」

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心身統一合氣道では、稽古の始めに全員で「誦句集(しょうくしゅう)」を唱和します。心身統一合氣道の創始者である藤平光一先生が、心身統一合氣道の重要な教えを22の項目にまとめたものです。

その中でも最初の「座右の銘」は、心身統一合氣道を学ぶ者にとって、修行の目的が明確に記された最も重要な内容です。多くの皆さんから質問を受けることから、ここで解説したいと思います。

「座右の銘」の全文は下記の通りです。

一、座右の銘

万有を愛護し、万物を育成する天地の心を以て、我が心としよう。心身を統一し、天地と一体となる事が我が修行の眼目である。

心身統一の四大原則
一、臍下の一点に心をしずめ統一する。
二、全身の力を完全に抜く。
三、身体の総ての部分の重みを、その最下部におく。
四、氣を出す。

座右の銘は、「万有を愛護し...」から「...眼目である」までの前半と、「心身統一の四大原則」以降の後半から成り立っています。前半部分には「何をすべきか(what to do)」が記されていて、後半部分には「どう実行するか(how to do)」が記されています。

それでは一文ずつ解説して参ります。

万有を愛護し、万物を育成する天地の心を以て、我が心としよう。

天地の心の「心」とは、この場合は「性質」を表しています。「天地」とは、今の言葉に置き換えれば「大自然」を指します。平易に説けば、天地の心とは「大自然の性質」といえます。

大自然の性質そのものに、「プラス」も「マイナス」もありません。生命が始まるのも、生命が終わるのも、同じく大自然の性質です。私たちは、その大自然の性質に身を委ねています。

他方で、私たちの心には「プラス」と「マイナス」があります。大自然の性質を受け入れて、プラスに活かすことが出来ます。

プラスに向かうのか、マイナスに向かうのかは最も重要な選択です。

プラスの人生を望むのならば、プラスに向かうことが自然であり、マイナスに向かうことは不自然です。それはちょうど、北に行きたいならば北に向かって歩むことと同じです。北に行きたいのに南に向かったら到達できません。

「万有を愛護し、万物を育成する」大自然の性質をプラスに活かして、自らの心のあり方としよう、ということです。

 さて、「万有を愛護する」について、もう少し補足したいと思います。

「万有」と「万物」の意味は、現代の国語辞典で調べるとどちらも、「宇宙に存在する総てのもの」とあり、違いが良く分かりません。誦句集では、「万物」とは「宇宙に存在する総てのもの」、「万有」とは「総てのものが持つ性質」を指しています。

「万有を愛護する」とは、それぞれが持つ性質を良くみることです。

私たちが人をみるとき、「長所」「短所」という言葉を用いますが、それはその人の性質を周囲が主観的に判断したもので、実際に「長所」「短所」という性質があるわけではありません。事実、長所と短所は表裏一体で、ちょっとしたきっかけで、短所が長所に変わります。

ある子供クラスでの出来事。

小学校高学年の男の子は、稽古中にとても大きな声を出します。一緒に稽古する子供たちは、その子のことをうるさく感じたり、怖がったりしていました。若手の指導者が「うるさいから静かにしなさい」と注意すると、その子はふてくされ、さらに大きな声で周囲に迷惑をかけます。

そんなときに先輩の指導者がやって来ました。

事の詳細を聞いた先輩の指導者は、男の子のところに行って、稽古する様子をしばらく見守っていました。稽古後、先輩の指導者は男の子のところに歩み寄り、「君は声が大きいね!すごいね!」と声をかけました。てっきり怒られると思っていた男の子はキョトンとしています。

先輩の指導者はこう続けます。

「それだけすごい声なのだから、体操の号令をかけてみようか」。やる氣になった男の子が号令をかけると、道場の隅々まで声が響き渡ります。一緒に稽古していた子供たちも「すごい!」と賞賛しました。これをきっかけに男の子は無駄に大声を出さなくなりました。

「声が大きい」というのはそのお子さんが持つ「性質」です。その性質が不適切な場面や方法で発現すれば、「短所」になってしまいます。適切な場面や方法で発現すれば、「長所」にもなりうるわけです。

声が大きいという性質に「短所」というラベルを貼ってしまっては、もう、そのお子さんをプラスに導くことは出来ません。性質を否定することは、存在を否定することと同じだからです。若手の指導者は、このやり取りから大切なことを学んだようでした。

人をより良く導くためには「万有愛護」の心が不可欠なのです。

【次回に続く】

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2019/07/27

特別対談(帯津良一先生)

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心身統一合氣道会 会報』では各分野の第一線の方との特別対談を行っています。バックナンバーをWebで不定期に公開しています。

今回は医師の帯津良一先生です。

帯津三敬病院 名誉院長である帯津先生は、83歳になられた現在も現役の医師として日々、患者さんに向かい合っていらっしゃいます。生涯をかけて取り組んで来られた「医療」を中心にお話を伺いました。

対談はこちらからご覧頂けます。

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2019/07/09

指導員講習会(神奈川)

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「指導員講習会(神奈川)」で指導しました。27名の指導者が参加しました。会場は鐵心館道場(神奈川)でした。

指導内容は「 指導者向けブログ」でご覧頂けます。アクセスするには、指導員専用のIDとパスワードが必要です。


指導員講習会について

心身統一合氣道を指導するには「指導資格」が必要です。心身統一合氣道会では学び続ける者が指導できます。指導者は全国主要都市で開催される指導員講習会で学んでいます。

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2019/07/08

Ki principles

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心身統一合氣道の稽古は「氣」に基づいて行います。英語で指導する場合には、「Ki principles」と表現します。

日本語に直訳すれば氣の原理ですが、この場合は「原理」というよりも、「働き」とした方が理解しやすいかもしれません。

「Ki principles」で特に重要なのが下記の三つです。

  •  When you are one with the universe, Ki naturally flows.
    天地(自然)と一体であるとき、氣が通う

  • When Ki flows, you can use your mind freely.
    氣が通っているとき、心を自由に使うことが出来る

  • When you extend Ki, new Ki comes naturally.
    氣が出ているとき、新たな氣が入ってくる

 一つずつ、簡潔に解説して行きたいと思います。

「天地(自然)と一体であるとき、氣が通う」

技の稽古において、相手を「投げよう」「コントロールしよう」とすると、相手とぶつかってしまい、結果として投げることが出来ません。これは自分と相手がバラバラの存在になっていることが主な原因です。相手と一体になって動くとき、相手とぶつかることなく投げられます。

ただし、相手と一体になるとは「相手に合わせる」ことではありません。十人いれば十人異なり、総ての人に自分を合わせることなど不可能です。相手に合わせようとすると、氣は滞って理解出来なくなります。

自分という存在が、外界(周囲)と一体であることによって氣が通います。そして、氣が通うから相手の状態を理解して導くことが出来ます。

物を持つときも「氣が通う」ことが重要です。剣をコントロールする意識が強いときは、自身と剣がバラバラになって剣に氣が通わなくなります。自身と剣が一体のとき、氣が通い、自由自在に使うことが出来ます。それが「筆」であっても「ゴルフクラブ」であっても同じことです。


氣が通っているとき、心を自由に使うことが出来る」

氣が通っているとき、心を向けるべきことに向けることが出来ます。氣が滞っているとき、心は一つのことに執着してしまうのです。すると、本来使うべきことに使えなくなってしまいます。

嫌なことがあったとき、それが氣になってしまって、目の前のことにまったく心が向かないという経験がありませんか。これは、嫌なことがあったことで氣が滞り、本来使うべきことに、心をまったく使えなくなっているということです。

この状態を打破するには、氣の滞りを解消するしかありません。


「氣が出ているとき、新たな氣が入ってくる」

氣が滞っているとき、氣を引くとさらに滞りは大きくなります。辛いことがあったとき、誰とも関わらず独りふさぎ込んでいると、さらに辛くなっていくものです。

氣の滞りを解消するには、氣を出すことです。氣を出すことによって、新たな氣が入ってくるからです。

精神的にたいへんなときに、思い切って行動を起こしたことで、調子が戻ったというご経験はありませんか。あるいは、誰かに話を聴いてもらうことで心が楽になった、という経験もおありではないでしょうか。

「行動を起こす」ことも「話をする」ことも氣を出すことであり、それによって新たな氣が補給されるから元氣になるのです。万物の流れにおいて滞りが生じているときは「入れる」よりも「出す」ことが重要ですが、「氣」もまた同じです。


このように「Ki principles」を正しく理解して、日常で活用をすると、自分の持つ能力を存分に発揮出来るようになります。心身統一合氣道の稽古は、「Ki principles」の実践なのです。

本年10月に新たな本を出版することになりました。今回のテーマは、まさにこの「Ki principles」です。詳細が決まりましたら、またこのブログで告知いたします。

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2019/07/07

心身統一合氣道会 会報

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一般社団法人 心身統一合氣道会の会報誌「心身統一合氣道会 会報」の最新号が発行されます。7月下旬から全国の会員の皆様のお手元に届く予定です。

東京千代田区麹町にある洋食レストランの名店「青山からす亭」の三代目店主の古屋隆之様との特別対談が掲載されています。古屋さんは現在、心身統一合氣道を熱心に学ばれています。

次号は2019年10月に発行する予定です。

これまでの会報誌の情報はこちらをご覧下さい。

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2019/07/06

指導員講習会(大阪)

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「指導員講習会(大阪)」で指導しました。30名の指導者が参加しました。会場は光心館道場(大阪)でした。

指導内容は「 指導者向けブログ」でご覧頂けます。アクセスするには、指導員専用のIDとパスワードが必要です。


指導員講習会について

心身統一合氣道を指導するには「指導資格」が必要です。心身統一合氣道会では学び続ける者が指導できます。指導者は全国主要都市で開催される指導員講習会で学んでいます。

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2019/07/01

ラスベガス全米講習会

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6月27日(木)~30日(日)の4日間の日程で、アメリカ・ネバダ州で「ラスベガス全米講習会」が開催されました。私が総て指導しました。

現在、アメリカで私が指導する講習会は、より多くの人が参加しやすいようにアメリカの各地域で開催されています。

昨年はEastern Ki Federation(サウス・カロライナ州)、一昨年はMidland Ki Federation(コロラド州)とHawaii Ki Federation(ハワイ州)で行われました。来年はNorthwest Ki Federation(オレゴン州)です。

そして、今年はアメリカ総ての道場を対象とした「全米講習会」が開催されました。全米講習会は原則的に4年に一度開催されます。

今回の講習会には、指導者を中心に140名が参加しました。イギリス・ロシア・オーストラリア・ブラジル・日本からも参加がありました。

講習会場はネバダ大学ラスベガス校の施設に、350枚の畳を入れて設営されました。とても立派な施設でした。

講習会では「Become one with the universe(天地と一体になる)」「Ki naturally flows with everything(氣が通う)」「Keep the mind calm when moving(動中の統一)」「Moving from the tip(先端から動く)」をテーマに、様々な技を稽古しました。

宿泊は大学の寮を利用しましたので、まさに「合宿」のような雰囲氣となり、共に学び合うプラスの場が構築されたことで参加者の心が一つになったように感じました。

講習会を運営して下さったNorthern California Ki Societyの皆さんに心より感謝しています。

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2019/06/23

指導員講習会(栃木)

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「指導員講習会(栃木)」で指導しました。18名の指導者が参加しました。会場は天心館道場(栃木)でした。

指導内容は「 指導者向けブログ」でご覧頂けます。アクセスするには、指導員専用のIDとパスワードが必要です。


指導員講習会について

心身統一合氣道を指導するには「指導資格」が必要です。心身統一合氣道会では学び続ける者が指導できます。指導者は全国主要都市で開催される指導員講習会で学んでいます。

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2019/06/15

指導員講習会(東京)

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「指導員講習会(東京)」で指導しました。26名の指導者が参加しました。会場は成城高等学校の柔道場でした。

心身統一合氣道会の海外支部であるAikido Ki Society Stuttgart(ドイツ)の指導者がゲスト参加しました。

新たに師範2名、指導員1名を任命しました(敬称略)。

【師範】

  • 沢井 柚希(圓心館道場/東京)
  • 工藤 美和(京心館道場/東京)

【指導員】

  • 高橋 利明(真心館道場 浦和教室/埼玉)

指導内容は「 指導者向けブログ」でご覧頂けます。アクセスするには、指導員専用のIDとパスワードが必要です。


指導員講習会について

心身統一合氣道を指導するには「指導資格」が必要です。心身統一合氣道会では学び続ける者が指導できます。指導者は全国主要都市で開催される指導員講習会で学んでいます。

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2019/06/12

致知(2019年7月号)

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雑誌『致知』(2019年7月号)の書評にて『「氣」の道場 - 一流経営者やリーダーはなぜ「氣」を学ぶのか - 』が紹介されました。

本年4月に出版した本書には、芸能プロダクションのホリプロの創業者である堀威夫さんとの対談が収録されています。多くの経営者・リーダーの皆さんに、本書を手に取って頂いているようです。

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