2015/09/01

距離

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藤平信一です。

教育において、教育する側と教育を受ける側の「距離」が重要です。

近い距離であれば、立ち入ったことまで関わることが出来ます。遠い距離であれば、当たり障りのない範囲でしか関われません。

ここでいう距離とは「立場」や「関係性」を指すものであり、心の距離である「信頼関係」とは分けて考えて頂きたいと思います。

様々な人間関係の中で、最も近いのは「家庭内の距離」でしょう。

家庭だからこそ伝えられることがあります。どれだけ煩がられても、伝えなければいけないこともあります。

学校における人間関係は、家庭内よりも遠い距離にあります。特に「先生と生徒」の距離は「親と子」の距離と異なります。よって、学校の先生には「出来ること」「出来ないこと」があります。

学校の主な役割は、学習の場を提供し、かつ社会性を養うことです。当然のことながら学校はその責任を全うすべきですが、一方で、自立の基礎となる「躾」は、家庭内で行うべきものです。躾についてはアウトソーシングは出来ません。

家庭で教えるべきことを学校に肩代わりを求めるのは無理があり、もし、学校の先生がそれをすれば、プライバシーの侵害でしょう。

会社における人間関係は家庭や学校よりも更に遠い距離にあります。業務に関することは伝えられても、それ以外のことは出来ません。

家庭や学校ですべきことを会社に肩代わりを求めるのは無理があり、もし、会社がそれをすれば、パワーハラスメントでしょう。

家庭・学校・会社、それぞれの距離だから出来る教育があるのです。

その中で、「師匠と弟子」という人間関係は特異と言えます。「師匠と弟子」の関係は「先生と生徒」と完全に異なります。

師匠は「この者であれば総てを伝えたい」と弟子を選びます。弟子は「この方であれば総てを学びたい」と師匠を選びます。

そこに利害関係はなく、ある面においては親子関係より濃密です。極めて近い距離だからこそ伝わることがあります。

だからこそ、良き師匠に巡り会えるのは最高の幸せなのです。

ちなみに、心身統一合氣道では昔から「内弟子制度」がありました。一人の内弟子を「世の中に通じる」まで育てるのに10年かかります。教育は能率では計れませんが、この制度では育成の限界があります。

そこで現在では、内弟子制度に代わる新たな育成の仕組みとして、「指導者育成塾」を開設しています。全国から次世代の指導者を選抜し、最も近い距離で関わりながら、私が日々、教育と稽古を行っています。

ここ最近、「師弟関係」について取材を受けることが多くなりました。

現在、高度な技能を継承する者がいないことが大問題となっており、長い歴史で培ったものを日本は失いつつあります。つまり、学校や会社の教育だけでは伝わらないことがあると分かり、師弟という関係が見直されつつあるようです。

師弟関係においては「聞こえ良く」関わることは、まずありません。初めて経験する弟子からすれば、始めは辛いことばかりです。しかし、その辛さは一時のことで、後に大きなものを得るのです。

嫌われたくないと、お子さんを注意出来ない親御さんが増えています。生徒を注意出来ない先生も増えています。部下を注意出来ない上司も増えています。

一つの原因は「距離」を理解していないことです。自分の役割が分かっていなければ、確かに恐くて注意など出来ません。頑張って注意したとしても、それはすべきことではないかもしれません。

プロアスリートの世界ですら、聞こえの良いことだけを言うコーチが増え、「良いコーチ」と見なされることが多くなっているそうです。

それぞれの距離にある者が、ただ「聞こえ良く」関わるとしたら、教育の放棄といっても過言ではありません。

現在の日本は、家庭・学校・会社(社会)の役割が明確ではありません。役割が不明確なままでは責任を果たせません。

役割を明確にして、それぞれの距離において出来る教育を全うすること。それぞれの教育に責任を持つことが最も重要だと私は考えています。

勿論、心身統一合氣道会の道場・教室にも、果たすべき役割があります。それを明確にして責任を全うして参ります。

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2015/08/18

指導員講習会(神奈川県支部) 指導

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藤平信一です。

本日、「指導員講習会(神奈川県支部)」で指導をしました。 心身統一合氣道会 神奈川県支部の道場・教室から23名の指導員が参加しました。

指導内容については「心身統一合氣道会 指導者心得」でご覧頂けます。アクセスするには、指導員専用のIDとPasswordが必要です。


指導員講習会について

心身統一合氣道の指導には指導員資格が必要です。心身統一合氣道会では学び続ける者が指導できます。

指導員は、年間を通じて総本部東京本部大阪本部、及び全国主要都市で開催される指導員講習会に参加しています。指導員講習会は私が指導します。

指導員講習会の詳細についてはこちらをご覧下さい。

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2015/08/09

指導員講習会(東京本部) 指導

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藤平信一です。

本日、「指導員講習会(東京本部)」で指導をしました。 心身統一合氣道会の東日本の支部の道場・教室から28名(定員)の指導員が参加しました。

指導内容については「心身統一合氣道会 指導者心得」でご覧頂けます。アクセスするには、指導員専用のIDとPasswordが必要です。


指導員講習会について

心身統一合氣道の指導には指導員資格が必要です。心身統一合氣道会では学び続ける者が指導できます。

指導員は、年間を通じて総本部東京本部大阪本部、及び全国主要都市で開催される指導員講習会に参加しています。指導員講習会は私が指導します。

指導員講習会の詳細についてはこちらをご覧下さい。

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2015/08/03

人を導く

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藤平信一です。

人を導く上で最も重要なのは「信頼関係の構築」です。

「どうすれば信頼を得られるか」は、相手によって・状況によって異なるので簡単には分かりません。一方で「どうしたら信頼を失うか」は簡単に分かるものです。先を読み進める前にご一緒にお考え下さい。

 

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「自信がなさそうな人」はどうでしょうか。「時間や約束を守らない人」はどうでしょうか。「人によって態度を変える人」はどうでしょうか。他にも信頼を失う行為や態度は沢山ありますね。

この様に考えれば「信頼を得るに何が必要か」は自ずと判ります。

信頼を失う行為の代表例に「相手の話を聞かない」ことがあります。

自分の中に「こうあるべき」という正解を持って相手の話を聞くと、相手のことを全く理解することが出来ません。このとき相手は「拒絶」を感じて、氣は通わなくなってしまいます。

「相手を理解する」ことは、「相手の言うことが正しい」と総て肯定することではありません。仮に、相手が言っていることが間違いだとしても、「相手はその様に考えている」ことを認めることから始まります。

多くの人はこの時点で自分の価値基準を当てはめてしまいます。そして、自分にとって正しいことを押しつけます。相手から見れば「考えること」自体の否定であり、全人格の否定です。「この人には何を言っても無駄」と思ってしまうのも無理ありません。

「相手がその様に考えている」ことは事実なのですから、その事実を認めた上で、「なぜその様に考えるのか」を知ることです。それが「相手を理解する」ことであり、相手を導くことが出来ます。

相手が「この人であれば理解してくれるかもしれない」と思えれば、そこで初めて、自分の考えと違うことでも受け入れるゆとりが出来ます。


このときこちらが感情的になってしまうと、「自分の言いたいこと」が先になり、
相手のことを全く理解出来なくなります。それでは氣は断絶してしまい、相手を導くことが出来ません。

昇段審査会での出来事。

ある青年が多人数掛けの審査を受ける際、追い込まれてしまった瞬間、乱暴な動きで相手を投げようとしました。審査していた指導者はすぐに審査を止め、その青年を叱責した上で、審査は無効、自動的に「再審査」となりました。

厳しい叱責に反抗して、その青年は激昂して出て行こうとしました。全体を監督していた私はそれに氣づき、青年を穏やかに呼び止めて、「審査なのだから最後まで見届けなさい」と声をかけました。

少し落ち着いた青年はその場に座り、最後まで審査を見守りました。審査後、私は青年に「何をしたかったのですか」と声をかけました。すると青年は、「何をしたかったなどありません。頭が真っ白になってあのような動きをしてしまいました」と答えました。

その後も会話は続きます。

私 「それでは悪意があったのではないですね?」

青年「絶対にありません。それだけは信じて下さい!」

 「あなたに悪意がなかったのは分かりました。その上で、あなたの行為が相手に危険を与えたのは分かりますね?」

青年「それは分かります。申し訳ありません」

 「相手の方に一緒に謝りに行きましょう」

青年「分かりました」

青年は相手の方に心から謝罪し、幸いにして怪我もなく問題にはなりませんでした。その後、青年は立派に成長し稽古を続けています。もし、あのとき叱責されて青年が会場を出て行ってしまったとしたら、青年の人生は大きく変わってしまったはずです。

このとき私は「導く」ことが出来ましたが、心が乱れているときは、相手を全く理解せずに自分の主張を押しつけています。これはとても恐ろしいことで、常に自分を戒めています。

このプロセスは、心身統一合氣道で人を導き投げるのと同じことです。自分の思い通りに相手を動かし、自分の考える理想の動きをしても、相手とぶつかって導き投げることが出来ません。

相手を理解する」から導き投げることが出来ます。「心身統一合氣道の五原則」を実践することです。

 

 心身統一合氣道の五原則

  一、 氣が出ている
  二、 相手の心を知る
  三、 相手の氣を尊ぶ
  四、 相手の立場に立つ
  五、 率先窮行(そっせんきゅうこう)

 

「話を聞く」ことは「相手を理解する」こと。道場の外で出来る最も良い稽古の一つです。ご一緒に実践して参りましょう。

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2015/07/18

心身統一合氣道会 会報

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藤平信一です。

一般社団法人 心身統一合氣道会の会報誌「心身統一合氣道会 会報」の最新号が発行されます。7月下旬から全国の会員の皆さんのお手元に届く予定です。

最新号では、筑波大学の坂入洋右教授との特別対談を掲載しています。坂入教授は「どうすれば自分の持つポテンシャル(能力)を最大限に発揮出来るか」を研究なさっています。

次号は10月に発行する予定です。

これまでの会報誌の情報はこちらをご覧下さい。

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2015/07/12

指導員講習会(大阪本部) 指導

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藤平信一です。

本日、「指導員講習会(大阪本部)」で指導をしました。 心身統一合氣道会の西日本の支部の道場・教室から28名の指導員が参加しました。

指導内容については「心身統一合氣道会 指導者心得」でご覧頂けます。アクセスするには、指導員専用のIDとPasswordが必要です。


指導員講習会について

心身統一合氣道の指導には指導員資格が必要です。心身統一合氣道会では学び続ける者が指導できます。

指導員は、年間を通じて総本部東京本部大阪本部、及び全国主要都市で開催される指導員講習会に参加しています。指導員講習会は私が指導します。

指導員講習会の詳細についてはこちらをご覧下さい。

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2015/07/05

指導員講習会(総本部) 指導

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藤平信一です。

本日、「指導員講習会(総本部)」で指導をしました。 心身統一合氣道会の東日本の支部の道場・教室から27名の指導員が参加しました。

新たに1名を指導員に任命しました(敬称略)。

【指導員】

  • 江草 道弘 (聰心館道場/茨城)

指導内容については「心身統一合氣道会 指導者心得」でご覧頂けます。アクセスするには、指導員専用のIDとPasswordが必要です。


指導員講習会について

心身統一合氣道の指導には指導員資格が必要です。心身統一合氣道会では学び続ける者が指導できます。

指導員は、年間を通じて総本部東京本部大阪本部、及び全国主要都市で開催される指導員講習会に参加しています。指導員講習会は私が指導します。

指導員講習会の詳細についてはこちらをご覧下さい。

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2015/07/01

呼吸を鍛える

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藤平信一です。

日本経営合理化協会で執筆の機会を頂きまして、今年の3月から「社長やリーダー向けの氣の活用」について連載しています。

お陰さまで多くの皆様にお読み頂いているようです。

 Webマガジン 社長の「氣」(隔週連載)

先月は2回連続で「氣の呼吸法」について触れました。このメールマガジンでは、呼吸の訓練の全体像をお伝えします。


呼吸の訓練は「氣の呼吸法」から始めます。氣の呼吸法では、自然な姿勢(統一体)で呼吸することを土台に、「臍下の一点」から息をゆっくりと静かに吐きます。

このとき、「長く吐こう」「上手に吐こう」といったように意識して、「自分の呼吸をコントロールしよう」とすると上手く行きません。

吐くに任せておけば、吐く息は1/21/21/2・・・と徐々に静まり、最後は無限小に静まっていきます。このとき、心の波も無限小に静まって行くのです。

それはちょうど器に水を張った時、水面は最初波立っていても、そのままにすれば、自然と無限小に静まっていくのと同じです。

吐く息をコントロールしようとすると、それが新たな波となってしまい、いつまで経っても波が静まりません。

最も重要な点は「吐くに任せる」ことです。ひとたびこの感覚を体得すると、氣の呼吸法をとても楽に出来ます。

自転車に乗れるようになるには一定の練習時間が必要であった様に、氣の呼吸法を身につけるのも同じです。練習を重ねて、氣の呼吸法を正しく体得して頂きたいと思います。


氣の呼吸法で「吐く息が無限小に静まる」ことを体得したら、今度は「ひと息で吐く」ことを学びます。

ひと息で吐くとき、多くの人は力んでしまいます。

氣の呼吸法で十分に訓練しておくと、ひと息で吐くときであっても吐き終わりが無限小に静まります。すると、息を吐いた瞬間には自然に吸っています。ひと息で吐く動作を継続して行うことが出来ます。

「吐き終わりが静まらない」または「十分に息を吐いていない」と、十分に吸えないため呼吸困難に陥ります。

鈴を持ってひと息で吐く行(ぎょう)を「息心の行」といいます。昔は一日何時間も行いましたが、現在では一時間程度行います。

持っている力を出し切ると新たなものが得られる。力の出し惜しみをすると新たなものは得られない。そんな呼吸の極意が分かる非常に大切な行です。


ひと息で吐くことを体得したら、今度は「氣合い」をかけます。「号令をかける」のも同じです。

「声を発する」ということは「息を吐く」ことと同じです。呼吸の質は、そのまま発声の質に直結しています。

臍下の一点に心を静めてひと息で吐き、それが発声に繋がると落ち着き・安定・自信を感じる声になります。

声が変わることによって、相手や周囲への伝わり方が変わります。役者さんやスピーチを良くする方が多く学ぶ所以です。


呼吸の訓練の最終段階として、「呼吸」と「動作」が一致するように訓練します。

剣技・杖技では号令をかけながら行いますが、これは呼吸と動作が自然に一致するように訓練することが目的です。

剣技も杖技も、号令のかけ方を間違えると威力は半減します。号令のかけ方が如何に重要か分かります。

呼吸と動作は一致しているのが当たり前ですが、調子が悪くなると、それらがバラバラになって、持っている力を発揮出来なくなります。

アスリートを指導する際は、呼吸と動作の一致も指導しています。これによって多くのアスリートが調子を取り戻しています。


「静かに吐く」→「ひと息で吐く」→「氣合い」→「呼吸と動作」、このステップで呼吸を鍛えることが出来ます。

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2015/06/26

読売新聞記事(2015年6月26日)

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藤平信一です。

岡山で心身統一合氣道を学び、母国ベトナムに帰って普及を始めた グエン クアン アインさんについて、本日の読売新聞の記事で紹介されました。

読売新聞のWEB版でもご覧頂けます。

ベトナム人通訳・グエンさん 母国に合気道道場(読売新聞記事)

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2015/06/21

EKF特別講習会(サウスカロライナ) 指導

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藤平信一です。

6/18(木)~6/21()の4日間の日程で、アメリカ・サウスカロライナ州で行われた「EKF特別講習会」で指導しました。EKFは"Eastern Ki Federation"の略で、アメリカ東海岸にある心身統一合氣道の支部による連盟です。

これまで行って参りました「全米講習会」は、参加人数が多いため、参加者一人一人に私が直に指導することが難しいという課題があり、今年から地域毎に講習会を行うことにしました。90名が講習会に参加しました。

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講習会では、心身統一合氣道の基本である「自然な姿勢(統一体)」を基本に、「剣と半身」「剣と技」をテーマに様々な技を稽古しました。また、最終日には昇伝審査を行い、20名が受験して無事全員が合格しました。

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連日の講習会と懇親によって、EKFの皆さんと濃密な時間を過ごすことが出来ました。ホストを務めて下さったEKFのチーフインストラクターのDavid Shaner先生、EKFの総ての皆さんに心から感謝いたします。

今後も他の地域で同様の講習会が開催されると共に、世界各地の支部が総本部道場で合宿をする予定です。出来る限り、参加者一人一人に私が直に指導出来る環境を整えて参ります。

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